賃貸物件を申込!契約前ならキャンセルできるの?

お部屋選びでは、少しでも条件が揃った便利で居心地の良い部屋を見つけたいと誰もが思うことですが、実際に内見できる部屋数は限られますし、人気物件は早い者勝ちということもあり、決断のタイミングが難しいところです。申込みをしたけれど考え直したいと思うこともあるかもしれません。そこで今回は賃貸契約時のキャンセルについてご紹介します。

賃貸物件契約の流れ

最初に、賃貸物件を契約するまでの流れを簡単に説明しておきましょう。

すべての希望に沿った物件を見つけることは難しいので、条件に優先順位を付けて部屋探しをします。条件を決めたら不動産会社のインターネットサイトや店頭で物件を探し、いくつか内見します。部屋を決めたら申込み、入居審査、重要事項説明、契約となります。

契約前のキャンセルは可能

予定していた進学先や就職先が変更になった、急な転勤が決まった、第一希望だった物件に申込めることになったなどの理由でキャンセルしたい場合、申込みから入居審査の間、つまり契約書に記名押印する前ならばキャンセルすることは可能です。

入居の申込みをした時点で、「申込金」の支払いを求められるケースがあります。この申込金(内金、手付金等とも呼ばれます)は、他の申込者が出現した場合に、優先して審査を受けられるようにしてもらう目的のお金で、一時的に不動産業者に預けるお金です。契約が成立しなかった場合や申込みをキャンセルした場合に返還されるお金ですが、諸経費がかかった等色々な理由を付けて返還してもらえないというトラブルが発生していることから、現在では申込金の要求をしないことを自治体が指導しています。

不動産業者は契約が成立しなければ経費を含め仲介手数料を受け取ることが出来ないことを知っておきましょう。申込金を支払う場合は、日付・署名・捺印入りの預かり証を必ず受け取り、入居審査に通らなかった時やキャンセルした時に返還されることをしっかりと確認しておくことを忘れずに。

契約後にキャンセルしたいとき

入居審査に通ると、不動産会社の宅建主任士は主任士証を借主に提示し重要事項説明を行います。契約前に重要事項を説明し書面を交付しますが、これは宅建業法で決まっていることです。重要事項説明の後、契約書への記名押印、契約金の支払いを経て契約が成立します。それでは、契約してから引っ越しまでの間にキャンセルすることになった場合はどうなるでしょうか?

契約後はキャンセルではなく解約という形になります。契約時には敷金・礼金・仲介手数料・1カ月分の家賃・火災保険料・保証料等がかかりますが、これら初期費用の相場は家賃の5カ月分にもなります。何らかの理由で入居前にキャンセルせざるを得なくなった場合、これら契約金のすべてが返金されることはないと理解しておきましょう。ただし、退去時に室内のクリーニングや補修に充てられる敷金は交渉次第で返金される可能性もあります。

入居申し込みまでの過程を考えると不動産会社の担当者や大家さんに申し訳ないと考えてしまいますが、先々経済的に負担になったり、生活に困難が生じたりするようであればキャンセルすることもやむを得ないでしょう。

契約前であればキャンセルする権利はありますが、自分が申込みをして入居審査を受けている間に、他に確実な借り手が現れていた可能性があり、そうなると貸主の利益を阻害することに繋がります。安易な気持ちで申込むことはマナー違反になりますので、入居申込みは慎重に行いましょう。また、迷っているのに決断を急かすような言動や重要事項説明前の申込金に関して曖昧な不動産会社は、後々トラブルになる可能性もあるので注意しましょう。

 

記事作成日:2018年01月30日 最終更新日:2018年01月30日