ほんとに危険?石綿(アスベスト)とは…

石綿(アスベスト)による健康被害はかつて大きな社会問題となりました。今でも時折ニュースや新聞などの報道で目や耳にすることがあります。自分で自宅のリフォームをしようと思っている人、または中古マンションの購入を考えている人はアスベストについて知っておく必要があります。

アスベストとは

アスベストは天然の鉱石で、細長く繊維状の結晶が綿のように見えるため石綿(せきめん・いしわた)という日本名が付いています。

アスベストには繊維がカールしている蛇紋石系のクリソタイル(白石綿)、繊維が直線状の角閃石系のクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトの2系統6種類があります。

アスベストが原因の健康被害

アスベストには、断熱・防音・耐火・絶縁などの機能があり、加工し易く安価なために工業や建築材料として幅広く利用されてきました。しかしながら、アスベストの繊維はとても小さく軽いため、浮遊した繊維を人が吸い込んでしまうと肺にまで達し、悪性中皮腫、肺がん、アスベスト肺等の原因になることが分かり、欧米各国で使用禁止や規制がかかるようになりました。日本では1975年初頭に吹き付けアスベストが禁止されてから段階的に規制が進められ、1995年に発がん性の高い茶石綿と青石綿、2004年に白石綿が禁止になり、2012年には全面禁止となりました。

どんな建物の、どの場所にアスベストが使われているのか

吹き付けアスベスト・・・耐火被覆用、吸音・断熱用として、学校や病院のような鉄骨造建物の柱、天井、壁、地下駐車場、機械室、ボイラー室などに施工されていました。

吹き付けロックウール・・・アスベストが禁止になってから使用されているのが人造鉱物のロックウールですが、1988年までアスベストを混ぜて使っていた期間があります。

アスベスト成形板・・・建物の外壁、屋根など。

リフォームしても大丈夫?

禁止される以前に建てられた、または改修されたマンションや戸建てには、外壁、屋根、室内の石膏ボード、壁内部、天井といった部分に使用されている可能性があります。アスベストは、覆われている状態が保たれており飛散しなければほとんど問題がないと言われています。注意が必要なのは、解体、改修時、経年劣化による飛散です。古くなった自宅や中古で購入したマンションをDIYでリフォームするといった場合、築年数によっては、アスベストが使われている可能性があるかどうかを確認する必要があります。除去、破壊した建材は特別管理産業廃棄物として適切に処理することが法律で定められていますし、屋外に放置した場合、アスベストが飛散する恐れがあります。アスベスト含有の有無は設計図面に記載されている建材名で確認することが出来ます。アスベストが使われている場合、または判断できない場合は、正しい取り扱いの知識をもつ住宅リフォーム会社に依頼したほうがよいでしょう。

記事作成日:2017年05月09日 最終更新日:2017年07月26日