セロゼロ物件。本当にお得なの?
ゼロゼロ物件とは
賃貸物件を借りる際にかかる初期費用には、契約に必要な敷金、礼金、前家賃、仲介手数料、火災保険料、保証料と引越し費用があります。この中で、退去時に原状回復費用やクリーニング費用に充てられる敷金と大家さんにお礼として支払う礼金が0円の物件を「ゼロゼロ物件」と呼んでいます。
例えば、敷金2カ月礼金1カ月、家賃が6万円だとすると敷金礼金だけで18万円にもなります。ゼロゼロ物件ではこの分の費用がかからないので、初期費用がかなり抑えられることになりますね。ゼロゼロ物件が登場した背景には、経済の低迷による非正規雇用者や低所得者の増加で、まとまった初期費用が無くても借りられる物件が求められたことと、少子化と経済的な理由から自宅通学をする学生が増えたことで物件の供給過多になっていることが挙げられます。アパート経営のブームもありさらに新築アパートが増えています。部屋が埋まらない状況では収入を得られませんので、保証金である敷金や、現在とは異なる住宅事情であった時代の慣習である礼金をゼロにして入居者を募集する大家さんが増えています。
ゼロゼロ物件のメリットとデメリット
ゼロゼロ物件の最大のメリットは初期費用が抑えられることです。 それにより家賃が少し高くても条件の良いワンランク上の物件を選ぶことも出来ます。必要な家具や家電を揃えることも出来るので、新生活が充実したものになるでしょう。
デメリットとしては、相場より家賃が高め、敷金は0円でも別の名前で費用がかかる、短期で解約すると違約金が発生する契約になっているなど、結局は敷金礼金ありの物件と総額に大差がないこともあるので、契約書の細かい確認は必ずしなくてはなりません。また、駅から遠い、築年数が古く管理が不十分、騒音がひどい等条件があまり良くないためにゼロゼロ物件にしているということもあります。
ゼロゼロ物件を借りるなら
ゼロゼロ物件なら余裕で予算内だと思っても、別の費用が掛かったり、毎月の家賃が相場より高かったりするようでは結局予算オーバーになってしまいます。ゼロゼロ物件の賃貸を検討する時は、不動産会社にその理由の説明をして貰い、周辺環境のチェックと内見は慎重に行う必要があるでしょう。通常敷金が充てられる退去時の原状回復費用についても負担する項目と費用の目安を事前にはっきりと確認しましょう。 場合によっては敷金有よりも高額になるケースもありますので、トラブルにならないように明文化し、傷がある個所は写真に撮って記録しておくといった退去時の準備をしておくことも大切になります。
お部屋探しで大切なのは初期費用の「予算」とひと月の「予算」の両方を考えることです。家賃が多少高くてもひと月の予算内に収まるなら初期費用が抑えられるゼロゼロ物件はとても魅力的です。中には築年数は古くてもリフォーム済みで室内は新しく清潔な物件や、駅や学校から距離があるので借り手が付きにくいだけといった掘り出し物がある可能性も大です。トラブルにならないよう契約内容を検討した上で、納得できる物件なら大きなメリットがあると言えるでしょう。