よくある近隣トラブルを知ろう

新年度に入り住環境が大きく変化する季節です。 慣れない土地に引っ越した人、ご近所に新しい住人がやって来た人、どちらの立場でも近隣トラブルに巻き込まれないかと気になる所ですね。そこで今回は、どのようなことが近隣トラブルに発展するのかをご紹介します。

騒音問題

近隣トラブルで最も多いのは「音」の問題です。騒音と感じるのは、ドア・窓の開け閉め、子どもの走り回る音や子どもを叱る声、夜間の掃除洗濯、大声での電話や会話といった生活音や、テレビ、ラジオ、音楽、映画などの音漏れがあります。音を流していても、室内で日常会話が出来るレベルなら常識的な範囲ですが、シニアの場合は耳が遠くなったせいでボリュームを上げている場合もあり、自分が無意識に出している音が周りの人を不快にさせていることもあります。

騒音といっても感じ方には個人差があり、そこで目安になるのが環境庁公表の「騒音に係る環境基準」です。午前6時から午後10時は55デシベル以下で昼間の住宅街や図書館内レベル、午後10時から午前6時は45デシベル以下で夜間の住宅街レベルというものです。これを見ると、昼間のレベルも非常に静かで、それだけ音というのが日常生活に影響を与えるものだということがわかります。

臭い問題

窓や換気扇の位置によって調理中の臭いが部屋に入り込んでくることがあります。料理をしないわけにはいかないのでお互い様ということになりますが、焼き魚、焼肉、ニンニクといった臭いがきつい料理は苦情が多いようです。ベランダや庭で吸うタバコの煙、生ゴミやペットのトイレの不衛生な管理で発生する悪臭もトラブルの原因になります。

マナー違反

ゴミ出しでは分別や指定日を守らないと回収されず、カラスに荒らされたり、悪臭が発生したりと多くの人に迷惑をかけることになります。ルールを守れば地域が明るくなるガーデニングですが、流行りのベランダガーデニングでは水漏れ、枯葉による排水溝の詰まり、害虫被害、強い風によりプランターや鉢が落下するという危険性があり、戸建てでは道路に鉢を置いたり枝がはみ出したりして通行の邪魔になることがあります。アパートやマンションの共有部分に私物を置くことで景観が悪化し、物件価値の低下につながり、防災上も問題があります。

ペット

トイレの始末が不十分なため発生する臭い、犬の鳴き声、猫のスプレー行為や糞をして庭の土を掘りかえす、最近問題になっている多頭飼いによる不衛生な管理等があります。ペット可の集合住宅の場合でも、共有部分でトイレをしてしまう、吠える、抜け毛が屋外に飛んだり配水管につまったりする、契約違反の多頭飼いなど、自分勝手な飼い方によるトラブルが発生しています。

自分が近隣トラブルの元にならないために

騒音・・・隣室と接する壁際に家具を配置、オーディオ機器は壁際を避け振動が伝わらないように固定する、厚手のカーペットを敷く、遮音効果のあるカーテンにする、窓に隙間が出来ないように隙間テープを貼る、ボリュームを上げて大きな音で楽しみたい場合はヘッドフォン、イヤホンを使うなど工夫しましょう。賃貸住宅では契約上楽器演奏が禁止事項になっていることが多いので、楽器を練習したい場合は確認しましょう。

臭い・・・料理の臭いはダクトを設置することで軽減されます。生ごみの臭いは水分をよく切ってから新聞紙に包み小分けにビニール袋に密閉し忘れずに収集日に出しましょう。ゴミ箱をまめに洗うことも大切です。

ペット・・・トイレが汚れたらすぐに掃除をしましょう。汚れたままの時間が長いとペットの健康にも悪影響を与えます。お住まいの環境によっては犬のしつけスクールに行く、猫は室内飼いをするといった飼い方の判断も必要になってくるでしょう。

近隣トラブルはお互い様と我慢が出来るレベルから裁判になるような深刻なレベルまで様々。知っている相手では許容範囲が広がりますので、ご近所さんと簡単でもいいのでコミュニケーションをとり、出来る範囲で地域活動などにも参加すると良いでしょう。まずは自分がトラブルの元にならないようにすることが大切です。

記事作成日:2018年05月28日 最終更新日:2018年05月28日