IHキッチンのメリット・デメリット

オール電化住宅のキッチンで使用されているIHクッキングヒーター。賃貸住宅でもIHキッチンの物件が注目されています。
火を使わない安全性と掃除が楽という点で、ガスコンロから据え置き型のIHクッキングヒーターに交換する人も増えています。IHクッキングヒーターにはどんなメリットとデメリットがあるのかをご紹介します。

『IHクッキングヒーターとは?』

IHクッキングヒーターの天板の中にはいくつものコイルが入っています。コイルに電流が流れると磁力線が発生し、この磁力線が金属製の鍋を通ると電気抵抗により熱が発生する仕組みです。
電気抵抗が高い金属製の鍋やフライパンほど強い発熱量を得られることになります。電気抵抗の低い銅やアルミ鍋は使えませんが、最近では銅やアルミを含む多くの金属素材が使える「オールメタル対応」の商品も出ています。

一般的なIHクッキングヒーターは200Vの家庭用電源が必要です。通常、家庭用電源は100Vなので、導入しようと思った場合は別途工事することになります。パワーは落ちますが、100Vでも使える安価な商品もあります。

『メリット』

調理中に消し忘れて空炊きになったり、吹きこぼれたりした場合は自動停止をする機能が付いています。火を使わないので、洋服に着火したり、周りの可燃物に燃え移ったりしないため、やけどの可能性が低いと言えます。このような安全性が魅力で、高齢者用に買い替える人が多いようです。

天板がフラットなので、ガスコンロに比べると数段お手入れが楽になります。火を使わないことで、二酸化炭素が発生しない、上昇気流がないので油が飛び散りにくい、部屋の温度が上がりにくいなど、クリーンで快適な環境でお料理が出来ます。

200VのIHクッキングヒーターはパワーも非常に強く、食材を入れて温度が下がってもまたすぐに設定温度に戻るため、素材の味を損ねません。温度調整もワンタッチで細かく設定可能で、調節が難しいトロ火料理も一定の温度で調理が出来ます。

『デメリット』

200Vの据え置きIHクッキングヒーターの価格はおよそ4万円から10万円を超えるものあり、さらに電気工事代も入れるとかなりの高額となります。

IH対応の調理器具も購入しなくてはなりません。IH対応の鍋やフライパンでも大きさや素材によっては加熱にムラがでたり、ガスコンロと使い勝手が違ったりと、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。

IHクッキングヒーターは熱を発生させるので、人体に健康被害を与える強い電磁波が出ているのではないかと思いがちですが、国際的な安全基準を大幅に下回っていて他の家電と比べても低いレベルです。医療器具を使っている人は医師に相談してください。

 

IHキッチンを扱う電機メーカー、設備販売店、電力会社の中には、ショールームなどで使い方を体験できるコーナーを設けているところもあります。興味がある方は、実際に使い心地を試してみてはいかがでしょうか?

記事作成日:2016年03月25日 最終更新日:2017年07月29日